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介護施設のホームページ|サービス種別で変わる家族向け設計

2026/10/20

「施設の紹介はひと通り載せているのに、見学の申し込みが増えない」。介護施設・老人ホームのホームページについて、こうした悩みを抱える経営者や施設長は少なくありません。原因のひとつとして考えられるのが、サービス種別に関係なく同じ型でページを作っていることです。

入居や利用を検討するご家族は、「特養」「グループホーム」「デイサービス」のように種別をある程度決めてから施設を探すことが多く、種別ごとに知りたいことがはっきり違います。特養なら申し込める条件と待つ期間、有料老人ホームなら月々の総額、デイサービスなら自宅まで送迎に来てもらえるかどうか、といった具合です。

この記事では、読み手を入居・利用を検討するご家族に絞り、サービス種別ごとにホームページで何を、どの順番で見せるべきかを整理します。SEOや広告を含む介護施設のWeb戦略の全体像は介護施設のホームページ制作とWeb戦略の全体像で、職員採用向けの情報設計は介護施設の採用サイト(中途・未経験軸)で扱っているため、ここでは家族向けの種別ごとの設計に絞って解説します。

目次

ご家族は「地域名+サービス種別」で施設を探している

介護施設を探すご家族の検索には、地域名とサービス種別がセットで入るのが一般的です。大阪であれば「天王寺区 特養」「豊中市 グループホーム 空き」「堺市 デイサービス 送迎」「吹田 サ高住 費用」といった探し方です。種別名が入っている時点で、ご家族はその種別に固有の不安を持ってページを訪れています。

探し始めたきっかけも種別によって異なります。入院中の親の退院日が迫り、急いで住まいを探す場合と、在宅介護を続けながら日中の預け先を探す場合とでは、緊急度も比較にかける時間も違います。種別ごとの違いを整理すると、次のようになります。

※表は横にスクロールできます
種別 ご家族の状況(例) 最初に確かめたいこと 問い合わせの形
特別養護老人ホーム 在宅介護の限界が近く、長く暮らせる場所を探している 申し込める条件、待つ期間、費用の目安 入所申込の相談、見学
有料老人ホーム 退院後の行き先を急いで探している、費用を比べたい 月々の総額、入居時の費用、医療対応 見学予約、費用の相談
サービス付き高齢者向け住宅 自立〜軽度のうちに住み替えたい 家賃と生活支援の範囲、介護が必要になったときの対応 見学予約、空室確認
グループホーム 認知症と診断され、少人数の落ち着いた環境を探している 対象地域、症状への対応、空き 空き確認、見学
デイサービス 在宅介護を続けながら日中の支えがほしい 送迎範囲、1日の過ごし方、体験の可否 体験利用の申し込み
訪問介護 住み慣れた自宅での生活を続けたい 対応エリア、時間帯、頼める内容 電話相談

トップページから数回のタップで、その種別の「最初に確かめたいこと」にたどり着けるかどうか。ここが家族向け設計の出発点です。

種別に関係なく整えておく土台

種別ごとの設計に入る前に、どの種別にも共通する土台を確認しておきます。

ひとつは、重要事項のWeb掲載です。令和6年度の介護報酬改定で、介護サービス事業者は運営規程の概要や利用料などの重要事項を、法人のホームページ等または介護サービス情報公表システムに掲載・公表することが原則として求められるようになり、令和7年度から義務化されています。ただ、ページ数の多いPDFは、スマートフォンで比較するご家族には読みにくいものです。PDFへのリンクは残しつつ、料金や協力医療機関といった要点は本文にも書いておくと、比較の段階で読まれやすくなります。

もうひとつは、公的な情報との整合です。介護サービス情報公表システムやGoogleビジネスプロフィールに載っている事業所名・所在地・定員・サービス内容と、ホームページの表記が食い違っていると、ご家族は「どちらが正しいのか」と迷ってしまいます。理念、写真、スタッフ紹介、アクセス、問い合わせフォームといった共通の掲載項目については、介護施設のWeb戦略を解説したまとめ記事で整理しています。

入居系サービスの種別ごとの設計

特別養護老人ホーム|申し込める条件と「待つ期間」を正直に伝える

特養は、原則として要介護3以上の方が入所の対象です。要介護1・2でも、認知症による症状や家族の事情など、やむを得ない理由がある場合には特例として入所が認められることがあります。ご家族がまず知りたいのは「申し込めるのか」「どのくらい待つのか」です。空きがない施設でも、次の情報は判断材料になります。

  • 入所の対象となる要介護度と、特例入所の考え方
  • 申込書類の入手方法と提出先
  • 入所の優先度を決める流れ(自治体の指針に沿った判定の考え方)
  • 多床室・ユニット型それぞれの費用の目安と、居住費・食費の軽減制度の案内
  • 併設のショートステイなど、待っている間に利用できるサービス

費用については、所得に応じて居住費・食費が軽減される仕組みがあるため、一つの金額だけを示すと実際の負担との差が大きくなるご家族も出てきます。所得段階ごとの目安を表で示し、詳しくは相談窓口で案内する形が親切です。待ち状況を数字で載せる場合は、必ず更新日を添えましょう。

有料老人ホーム|月々の総額と契約内容を見える形にする

有料老人ホームのページで、ご家族が最も時間をかけて読むのは費用です。とくに「介護付き」と「住宅型」の違いが伝わっていないと、比較そのものが成り立ちません。介護付きは施設の職員が介護を提供し、介護保険の自己負担は要介護度に応じた定額が基本です。住宅型は生活支援までがホームの役割で、介護が必要になれば外部の訪問介護などを個別に契約します。そのため住宅型では、ホームに支払う月額とは別に、介護サービスの自己負担がかかります。

そこで役立つのが、要介護度別のモデルケースです。家賃・管理費・食費に、介護保険の自己負担や日用品の費用を加えた「月々の総額の目安」を要介護度ごとに示します。入居時の前払金がある場合は、償却の期間と、入居後一定期間内に契約が終了したときの返還の扱い(いわゆる短期解約特例)もあわせて説明しておくと、契約前の不安を減らせます。

制度の動きにも目を向けておく必要があります。2026年6月に公布された改正法により、一定の有料老人ホームに登録制が導入されることになりました。施行は公布から2年以内とされ、登録の基準では、特定の介護事業者のサービス利用を入居の条件にしないことなどが論点として議論されています。住宅型のホームページでは、介護サービスを本人やご家族が選べることや、併設事業所との関係を今のうちから明確に書いておくと、制度が固まった後も説明を大きく変えずに済みます。

このほか、受け入れ可能な医療的ケア(たんの吸引、経管栄養、インスリン注射など)、看取りへの対応、退去をお願いする可能性がある条件も、ご家族が見学前に確かめたい項目です。

サービス付き高齢者向け住宅|「住まい」であることを前提に説明する

サ高住は高齢者住まい法にもとづく登録制の住宅で、安否確認と生活相談のサービスが必ず付きます。一方で、介護は外部の事業者を利用する形が多く、ご家族が「介護施設」と同じものとして理解していると、入居後に想定とのずれが生まれやすくなります。

大阪府はサ高住が特に多い地域です。国土交通省の情報提供システムでは、府内で850件を超える住宅(3万戸超)が登録されており、2022年3月末時点の都道府県別集計でも、棟数・戸数ともに全国で最も多い水準でした。選択肢が多い地域ほど、ご家族は「どこも同じに見える」状態で比較することになります。差がつくのは、次のような「どこまで住み続けられるか」の情報です。

  • 夜間の職員体制(常駐しているか、緊急時の駆けつけ方法)
  • 介護度が上がったときに住み続けられる目安と、住み替えが必要になる場面
  • 併設・提携している介護事業所の有無と、それ以外の事業所も選べるかどうか
  • 契約の形態と、敷金・家賃・共益費・生活支援サービス費の内訳

グループホーム|対象地域と認知症の方の暮らしぶりを伝える

グループホームは、認知症の方が少人数で共同生活を送る地域密着型のサービスです。原則として、事業所がある市町村に住民票のある方が利用の対象になります。この前提がページの奥に埋もれていると、対象外の地域のご家族から問い合わせが入り、双方にとって手間になります。対象の市町村は、トップページや施設概要の目立つ位置に書いておきましょう。

ご家族は、認知症の症状がある親が「ここで落ち着いて過ごせるか」を思い描きたいと考えています。ユニット数と定員、料理や洗濯など入居者が役割を持って過ごす日常、症状が進んだときや医療が必要になったときの対応、看取りへの対応方針を、具体的な言葉で伝えることが大切です。写真を使う場合は、入居者本人とご家族の同意を得たうえで、顔が特定されない構図を選ぶなどの配慮が欠かせません。

在宅系サービスの種別ごとの設計

デイサービス|送迎範囲と1日の中身を具体的に

デイサービスを探すご家族が最初に確かめるのは、自宅まで送迎に来てもらえるかどうかです。「市内全域」のような大まかな表記ではなく、町名や地図で送迎範囲を示し、送迎の時間帯も載せておきます。大阪市内のように道路が混みやすい地域では、同じ区内でも時間帯によって送迎できる範囲が変わることがあります。範囲外でも相談に応じられるなら、その旨を書いておくと問い合わせの機会を逃しにくくなります。なお、定員18人以下の地域密着型通所介護は、原則として事業所のある市町村の住民が対象となるため、この点も明記しておきます。

1日の過ごし方は、到着から帰宅までの流れを時間の順に示します。リハビリ中心の半日型、入浴や食事を重視する1日型など、事業所の特色によってご家族が知りたい内容は変わります。体験利用の可否と申し込み方法は、ページの目立つ位置に置きましょう。利用開始にはケアマネジャーとの調整が必要になることが多いため、「担当のケアマネジャーがいる方」「まだいない方」の両方に向けて相談の流れを書き分けておくと、ご家族は次の一歩を踏み出しやすくなります。

訪問介護|対応エリア・時間帯と「頼めること」の線引き

訪問介護では、ご家族と事業所の間で「どこまでお願いできるか」の認識がずれやすい傾向があります。介護保険の訪問介護では、本人以外の家族のための家事や、日常生活の範囲を超える大掃除などは原則として対象外です。こうした線引きをホームページで先に説明しておくと、利用開始後の行き違いを減らせます。

対応エリアと、早朝・夜間・土日の対応可否も載せておくと、ご家族は生活リズムに合うかどうかを判断できます。

複数の種別を運営する法人のサイト構成

一つの法人が複数の種別を運営している場合、法人のホームページに全事業所をまとめて並べると、ご家族は自分に関係のある情報がどこにあるのか分からなくなります。法人の規模や事業所の配置に応じて、構成を選びます。

※表は横にスクロールできます
構成 向いている法人 注意点
種別ごとに下層ページを分ける 各種別を1事業所ずつ運営している 種別ごとの「最初に確かめたいこと」をページ冒頭に置く
事業所ごとに個別ページを作る 同じ種別の事業所を複数の地域で運営している 定員・送迎範囲・最寄り駅など、その事業所固有の情報で書き分ける
事業所ごとに独立したサイトを持つ 事業所ごとにブランドや対象地域が大きく異なる 法人サイトとの相互リンクと、更新の担当を決めておく

事業所ごとのページを作る場合に注意したいのが、地域名だけを入れ替えた同じ文章を複数のページに並べることです。ご家族の役に立たないうえ、検索エンジンから内容の薄いページと判断される可能性もあります。

トップページの入口を、サービス名だけでなく「状況」から選べるようにするのも有効です。「退院後の住まいを探している」「認知症の親の日中の居場所がほしい」「自宅での生活を続けたい」といったご家族の言葉で入口を作ると、介護の制度に詳しくない方でも、合う種別のページにたどり着けます。

種別や事業所ごとに情報が整理されたページは、生成AIが地域の施設について回答を組み立てる際にも、内容を読み取りやすい形になると考えられます。AI検索を意識した情報の書き方は介護施設のAI対策(AIO・LLMO)で、地図検索での見つけられ方は介護施設のMEO対策で詳しく解説しています。

問い合わせにつなげる導線は種別ごとに変える

問い合わせボタンの文言や置き方も、種別に合わせて変えます。すべてのページに「お問い合わせはこちら」だけを置くより、ご家族が次にとりたい行動に合わせた文言のほうが、ボタンを押すときの心理的なハードルが下がります。

  • 特養:「入所申込について相談する」「見学を予約する」
  • 有料老人ホーム・サ高住:「見学を予約する」「費用の目安を相談する」
  • グループホーム:「空き状況を確認する」「見学を予約する」
  • デイサービス:「体験利用を申し込む」
  • 訪問介護:「電話で相談する」(受付時間を併記)

関西の地域事情も導線の設計に関わります。大阪市内の施設であれば、ご家族が電車で見学に来ることも多いため、最寄り駅からの徒歩分数やバス路線を具体的に書いておきます。堺市・東大阪市・枚方市などの郊外では車での来訪が中心になりやすく、駐車場の台数と場所が重要です。また、親は大阪、子世代は首都圏というように離れて暮らすご家族も少なくありません。オンライン相談やオンライン見学、土日の見学対応の有無を明記しておくと、遠方からの問い合わせも受けやすくなります。

公開前に確認したいチェックポイント

  1. 種別ごとに、ご家族が最初に確かめたい情報がページ冒頭にあるか
  2. 費用を一つの金額ではなく、要介護度や所得段階ごとの目安で示しているか
  3. 地域密着型サービスの対象地域や、送迎・訪問の範囲を具体的に書いているか
  4. 重要事項の要点が、PDFだけでなく本文でも読めるか
  5. 空き状況や待ち状況に更新日を添えているか
  6. 事業所ごとのページが、地域名を入れ替えただけの同じ文章になっていないか
  7. 問い合わせボタンの文言が、種別ごとの次の行動に合っているか

よくある質問(FAQ)

Q1. 複数のサービス種別を運営している場合、ホームページは種別ごとに分けるべきですか?

必ずしも別のサイトにする必要はありません。法人サイトの中で種別・事業所ごとに下層ページを分け、それぞれの冒頭にご家族が最初に確かめたい情報を置く形でも十分に機能します。事業所ごとにブランドや対象地域が大きく異なる場合は、独立したサイトも選択肢になります。

Q2. 料金はどこまで詳しく載せるべきですか?

入居系であれば、家賃・管理費・食費に介護保険の自己負担や日用品の費用を加えた月々の総額の目安を、要介護度別に示すのがおすすめです。特養のように所得で負担が変わる種別では、所得段階ごとの目安を載せ、詳細は相談で案内する旨を書いておくと誤解を防げます。

Q3. 空き状況はホームページに載せたほうがよいですか?

載せることをおすすめします。ただし、更新が止まった空き情報はかえって不信感につながります。こまめな更新が難しい場合は、「空きあり」「残りわずか」「お問い合わせください」といった段階表示に更新日を添えるなど、無理なく続けられる形を選びましょう。

Q4. 特養は待機者が多いのに、ホームページに力を入れる意味はありますか?

あります。待機者がいる施設でも、申込方法や入所判定の流れ、待っている間に使えるサービスの案内は、ご家族にとって大切な判断材料です。併設のショートステイやデイサービスの利用につながることもあり、法人全体の利用促進にも役立ちます。

Q5. 重要事項説明書はPDFを掲載すれば十分ですか?

Web掲載の要件への対応としてはPDFでも掲載の形はとれると考えられますが、具体的な扱いは指定権者である自治体の案内もご確認ください。ご家族の読みやすさを考えると、料金、職員体制、協力医療機関などの要点は本文でも読めるようにし、全文はPDFで確認できる形にするのが望ましいでしょう。

Q6. 入居者や利用者の写真は掲載してもよいですか?

本人とご家族の同意を書面で得たうえで掲載するのが基本です。同意が得られない場合や判断が難しい場合は、後ろ姿や手元など、個人が特定されない構図を選びます。認知症の方の場合は、本人の意思の確かめ方も含めて、施設としてのルールを決めておきましょう。

Q7. 紹介ポータルサイトに掲載していれば、自社のホームページは簡素でもよいですか?

ポータルサイトで施設を知ったご家族が、施設名で検索して公式の情報を確かめることは珍しくありません。掲載枠では伝えきれない日々の暮らしやケアの方針を自社サイトで補うことで、見学につながりやすくなります。自社サイトから直接問い合わせを受けられる体制は、紹介手数料に頼りすぎない集客の土台にもなります。

Q8. 遠方に住むご家族向けに、どのような情報を用意すべきですか?

オンライン相談やオンライン見学の可否、土日の見学対応、入居後の連絡手段(電話・メール・面会のルール)を明記しておくことをおすすめします。来訪の回数が限られる遠距離のご家族にとっては、事前にWebで確かめられる情報の量と具体性が、そのまま安心材料になります。

まとめ|種別ごとに「最初の答え」を用意する

家族向けの設計では、施設を一律に紹介するのではなく、サービス種別ごとにご家族が最初に確かめたいことを起点に組み立てることが大切です。その「最初の答え」がページ冒頭にあるかどうかで、見学や相談への進みやすさは変わってきます。

創希株式会社は大阪・南船場を拠点に、介護事業所のホームページ制作と集客の支援を行っています。種別ごとの情報設計の見直しや、複数事業所を運営する法人のサイト構成についてのご相談は、介護事業所向けホームページ制作のページからお気軽にお問い合わせください。

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このブログを書いた人

WEB関連に携わって20年越え。
ECサイトの運営からスタート。
ホームページ制作に携わって、15年以上になります。
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