美容クリニックのホームページ|施術メニュー別の作り分け
2026/10/13
美容クリニックのホームページを見直すと、施術メニューのページがすべて同じ型で作られていることがよくあります。施術の説明、料金、よくある質問を並べ、最後に予約ボタンを置く。体裁は整っていても、脱毛を検討している人と糸リフトを検討している人とでは、ページに求めるものがまったく違います。
脱毛の検討者はコースの総額と通院回数を比べ、糸リフトの検討者はダウンタイムと持続期間を気にします。肝斑に悩む人は、そもそも自分のシミがどの種類なのかを知りたがっています。比較の軸がずれたページは、検索で見つけてもらえても予約に至らず、ほかのクリニックへ移られてしまいます。
加えて、美容医療は自由診療が中心のため、医療広告ガイドラインの限定解除の要件を施術ごとに満たす必要があります。薬剤や機器の承認状況によって、書くべき項目が増える施術もあります。
この記事では、脱毛・シミ/肝斑・痩身・注入(ボトックス・ヒアルロン酸)・糸リフトの5つについて、ページの作り分け方と限定解除の実務を、2026年3月30日の医療広告等ガイドライン改正と事例解説書(第6版)をふまえて整理します。サイト全体の設計は美容クリニックのホームページ制作・リニューアルの完全ガイドで解説しています。
目次
なぜ施術メニューごとにページを分けるのか
理由は大きく3つあります。
1つ目は、検索の入口が施術名だからです。美容医療を探す人の多くは、クリニック名ではなく「医療脱毛 梅田」「肝斑 治療」のように施術名や悩みで検索します。1ページに複数の施術を詰め込むと、どの検索語に応えるページなのかが曖昧になり、検索エンジンにもAI検索にも内容が伝わりにくくなると考えられます。
2つ目は、患者の検討の進み方が施術ごとに違うからです。単価、通院回数、ダウンタイム、効果の続き方がそれぞれ異なるため、不安の中身も比べる項目も変わります。
3つ目は、限定解除の情報を施術単位で示す必要があるからです。厚生労働省の事例解説書(第6版)では、複数の治療や内服薬をまとめて1つの説明で済ませた例が、必要な情報を個別に示していない事例として挙げられています。治療ごとにリスクや適応外使用の有無が違う以上、ページも情報も施術単位で分けておくのが自然です。
5つの施術で変わる「比べる軸」と「不安」
まず、施術ごとの違いを一覧にします。
| 施術 | 検討の進み方 | 患者がまず比べること | 来院前の主な不安 | ページで厚くする情報 |
|---|---|---|---|---|
| 脱毛 | 複数院を並べて比較し、コース単位で契約する | 部位別の総額、回数、通いやすさ | 追加費用、痛み、予約の取りやすさ | 総額の料金表、照射間隔、解約の扱い |
| シミ・肝斑 | 自分の症状が何かを調べるところから始まる | 診察の内容、治療の選択肢 | かえって濃くならないか、何回で変化するか | 症状別の入口、診察の流れ、内服・外用の説明 |
| 痩身 | 機器・注射・内服など方法の違いを調べる | 方法ごとの期間と総額 | 変化が出るか、副作用はないか | 方法別の比較、薬剤・機器の承認状況 |
| 注入 | 部位と製剤を決めてから比較する | 単位数・本数あたりの費用、持続期間 | 表情が不自然にならないか、内出血 | 製剤ごとの承認状況、部位別の料金 |
| 糸リフト | 時間をかけて情報を集め、相談を重ねる | 糸の種類と本数、持続期間 | 腫れや引きつれ、仕事への影響 | 施術後の経過、合併症、医師の経歴 |
同じテンプレートで5つのページを作ると、どこかの施術で情報の過不足が出やすくなります。
脱毛ページ:回数と総額を誤解なく伝える
脱毛は、検討者が複数のクリニックを横に並べて比べる施術です。比べられるのは1回あたりの単価よりも、希望する部位を終えるまでの総額です。
料金表は部位別・回数別に総額を示し、麻酔、剃り残しの処理、キャンセル時の扱いなど別途かかる費用があれば金額とあわせて記載します。事例解説書では、最低金額だけの表示や、別途費用を小さな文字で添えるだけの表示が不十分な例とされています。
回数の書き方にも注意が必要です。毛周期の関係で照射には一定の間隔を空ける必要があり、契約期間内に受けられる回数には実質的な上限があります。事例解説書は、回数に制限がないかのような表記がこの点で誤認を与えうる例として取り上げています。照射間隔の目安と、標準的な回数・期間を具体的に示しましょう。
リスクの欄には、赤みやほてり、毛嚢炎、やけど、硬毛化(照射部位の毛がかえって太くなる現象)などを、長所と同じ大きさの文字で記載します。使用する機器が国内で承認されたものかどうかで、後述する追加の記載が必要になるかも変わります。
コース契約には特定商取引法も関わります。提供期間が1か月を超え、金額が5万円を超える脱毛などの美容医療契約は、特定継続的役務提供としてクーリング・オフや中途解約の対象になります。料金表の近くに解約の扱いの概要を載せておくと、契約前の不安に応えることにもつながります。
シミ・肝斑ページ:「種類の見極め」を入口にする
シミのページで最初に押さえるべきなのは、患者が自分のシミの種類を判断できないという点です。シミには老人性色素斑、そばかす、肝斑などの種類があり、肝斑は刺激で濃くなることがあるとされるため、ほかのシミと同じ治療が合わない場合があります。
そこで、シミ・肝斑のページは「この治療を受けてください」ではなく、「まず診察で種類を見極める」流れを中心に組み立てます。症状のタイプ別に入口を用意し、診察で何を確認するのか、その結果どのような治療の選択肢がありうるのかを順に示すと、検討者は自分のこととして読み進めやすくなります。
内服薬や外用薬を組み合わせる場合は、薬剤ごとに一般的名称、用法・用量、服用期間の目安、主な副作用を書きます。事例解説書でも、内服でシミを薄くする治療の例について、用法・用量と服用期間を記載した形が改善例として示されています。レーザーや光治療も、照射の回数・間隔・期間を明記します。
「消える」「跡形もなく」といった表現は効果の保証と受け取られやすいため避け、改善を目的とした治療であることと、効果には個人差があることを書き添えます。
痩身ページ:方法の違いと薬剤の承認範囲を示す
医療痩身は、脂肪冷却や高密度焦点式超音波(HIFU)などの機器、脂肪溶解注射、内服薬と、方法の幅が広い分野です。検討者は方法同士の違いを知りたがっているため、方法ごとにページを分けるか、少なくとも方法別に料金・期間・リスクのブロックを独立させます。
痩身でとくに注意したいのが薬剤の扱いです。事例解説書(第6版)では、2型糖尿病の治療薬として承認されたGLP-1受容体作動薬を肥満治療の目的で処方する例が、承認と異なる目的での使用として取り上げられました。この場合は通常の限定解除要件に加えて、後述する追加の情報を書く必要があります。また、自由診療の薬が新たに保険適用になったかのように見せる表現は、誇大広告の例として示されています。
機器を使う施術でも、国内で承認されていない機器であれば同じく追加の記載が必要です。「短期間で」「1回で実感」のような訴求は避け、標準的な回数と期間、総額を具体的に示します。体型の術前術後写真を載せる場合は、撮影条件をそろえたうえで、症例ごとに治療内容・期間・回数・費用・リスクを写真の近くに添えてください。
注入ページ:製剤ごとに承認状況を書き分ける
ボトックスやヒアルロン酸などの注入治療は、製剤ごとに承認の状況が異なることを前提にページを設計します。
たとえば、国内で承認されているA型ボツリヌス毒素製剤には、65歳未満の成人の眉間や目尻の表情じわといった承認の範囲が定められています。承認された製剤をその範囲内で自由診療として使う場合でも、公的医療保険が適用されない旨と標準的な費用の記載が求められます。承認範囲の外の部位に使う場合や、国内未承認の製剤を使う場合は、さらに追加の記載が必要です。承認内容は改訂されることがあるため、公開前に最新の添付文書で確認してください。
ヒアルロン酸も、製剤によって国内承認の有無や承認された部位が異なります。院内で扱う製剤を一覧にし、部位ごとにどの製剤を使い、それが承認範囲内かどうかを整理してからページを作ると、記載漏れを防げます。医薬品や医療機器は一般的名称で書くのが基本で、販売名を出す場合は限定解除の要件を満たしていることが前提です。
料金は単位数や本数あたりの価格に加え、よくある部位で必要になる量の目安と総額を示します。リスクには内出血や腫れのほか、ヒアルロン酸では頻度は低いものの血管の閉塞による皮膚の障害なども含めて記載しましょう。
糸リフトページ:施術後の経過を長所と同じ重さで書く
糸リフトは、5つの中でも特に慎重に検討される施術です。カウンセリングの予約までに時間をかける人が多く、ページは繰り返し読まれます。
ページで厚くすべきなのは、施術後の経過です。腫れや内出血がどのくらい続くのか、引きつれや違和感、感染、糸の露出といった合併症がどの程度起こりうるのかを、長所と同じ扱いで説明します。事例解説書では、ダウンタイムがないといったメリットの記載や、施術を受けられない人の条件、施術後の注意事項は、リスクや副作用の説明にあたらないとされています。リスク欄を禁忌事項で埋めないよう注意してください。
料金は糸の種類と本数で変わるため、本数ごとの価格と、標準的な本数での総額を並べます。効果の持続期間は個人差が大きいので、目安を示す場合も幅をもたせます。使用する糸が国内承認品か、承認範囲内の使い方かもあわせて確認しましょう。
糸リフトは、執刀する医師への信頼が予約を左右しやすい施術です。担当医師の経歴や、厚生労働大臣に届出のある団体の専門医資格を「学会名+資格名」の形で示すと、検討の材料になります。
限定解除を施術ページで満たすための共通ルール
美容医療の施術ページは、そのほとんどが広告可能事項の範囲を超える情報を扱います。掲載するには限定解除の4要件、つまり①患者が自ら求めて得る情報を示すウェブサイト等であること、②問い合わせ先の明示、③自由診療の治療内容・費用等の情報提供、④主なリスク・副作用等の情報提供、をすべて満たす必要があります。医療広告ガイドラインの全体像はクリニック(一般医療)のホームページ制作完全ガイドでも触れています。ここでは、施術ページに落とし込むときの共通ルールをまとめます。
- 費用……最低金額だけでなく最低から最高までの幅を示し、別途かかる費用と内訳も載せる
- 期間・回数……「〜回から」のような最低限の表記で済ませず、標準的な期間と回数を書く
- リスク・副作用……禁忌事項や注意事項とは分けて書き、長所の説明より小さな文字にしない
- 症例写真……写真を加工せず、症例ごとに治療内容・期間・回数・費用・リスクを写真の近くに付す。リンク先やクリック後にしか読めない配置は不十分とされている
- 未承認・適応外の使用……未承認医薬品等であること、入手経路、国内の承認医薬品等の有無、諸外国での安全性等の情報、医薬品副作用被害救済制度の対象にならないことを書く
- 費用の強調……キャンペーンやモニター価格の値引きを前面に出す表示は、品位を損ねる広告の例として挙げられている
患者の体験談は、治療内容や効果に関するものであれば、限定解除の要件を満たしても掲載できません。口コミの扱いは論点が多いため、別の記事で詳しく取り上げる予定です。
なお、2026年3月30日の改正で、ガイドラインの名称は「医療広告等ガイドライン」となり、事例解説書は第6版になりました。第6版ではSNSや動画の事例が拡充され、SNSでも治療内容・費用・リスクを一体的に示す必要があり、詳細をホームページへのリンクだけに頼る形は不十分とされています。
施術ページ同士をつなぐサイト設計
施術ページを分けたら、それらをどうつなぐかを設計します。基本の形は、施術一覧ページを起点に各施術ページへ分岐し、各施術ページから症例・医師紹介・予約へと進める構成です。
- 施術一覧ページ(悩み別・施術別の両方から選べる入口)
- 各施術ページ(概要、適応、流れ、料金、期間・回数、リスク、承認状況、FAQ)
- 症例ページ(症例ごとに付記事項をそろえる)
- 医師紹介ページ(経歴と専門性資格)
- 予約・カウンセリングの申込み
料金表は画像ではなくHTMLの表で作ります。画像の中の文字は、検索エンジンやAIが読み取れない、あるいは読み取りにくい場合があるためです。料金表の扱いについては画像の料金表がもたらす機会損失を解説した記事もあわせてご覧ください。
施術ごとのFAQをページ内に設け、施術名と悩みを見出しや本文に自然に含めておくと、「肝斑 治療 何回」のような具体的な質問に対して、ページの内容が検索結果やAIの回答に取り上げられる可能性が高まると考えられます。ただし、AIの扱いは保証できるものではなく、正確でわかりやすい情報を積み上げることが土台です。
リスティング広告を使う場合、広告文そのものは限定解除の対象になりません。広告文は広告可能事項の範囲で作り、詳細は遷移先の施術ページで示すという役割分担が前提になります。施術ごとに着地ページを用意しておくと、広告とページの内容のずれも防ぎやすくなります。
▶あわせて読みたい:今やるべき対策はSEO?それともAIO/LLMO? ― 検索時代の変化と、これからのWeb集客戦略 ―
大阪の美容医療エリアと、施術別の来院動線
大阪では、梅田、心斎橋、なんば、天王寺といったターミナル周辺に美容クリニックが集まっており、同じエリア内で比べられやすいぶん、施術ページの情報の質が選ばれる理由になります。
来院動線の考え方も施術によって変わります。通院回数の多い脱毛やシミの治療は、勤務先や乗り換え駅からの通いやすさ、平日夜や土日の診療時間が重視されやすいため、最寄り駅からの道順や地下街からの行き方をページ内で具体的に示します。注入や糸リフトは施術後の腫れが気になるため、帰り道の過ごし方や、休日前の予約枠の有無が判断材料になります。
判断に迷う表現は、公開前に所管の窓口へ確認するのが確実です。厚生労働省が公開している窓口一覧では、大阪市や堺市などの保健所設置市は市ごとに、それ以外の府内の医療機関は大阪府が窓口として掲載されています。
また、2025年12月に公布された改正医療法で、美容医療を行う医療機関が安全管理の状況などを報告し、都道府県等が公表する仕組みが設けられました。施行は公布から2年以内に政令で定める日とされ、報告項目の詳細はこれから示されます。公表情報とホームページの記載が食い違わないよう、医師の資格や相談窓口の情報を今から整えておくと安心です。
▶あわせて読みたい:大阪のAI対策とは? SEO・AIO/LLMOで選ばれるホームページを作る方法
よくある質問(FAQ)
Q. 施術メニューごとにページを分けると、制作費用はかなり増えますか?
A. ページ数が増える分の費用はかかります。ただ、料金・期間・リスク・承認状況・FAQといった共通の構成をひな形として設計しておけば、施術ごとの差は主に原稿と症例の整理になります
Q. 料金に幅がある場合、どのように表示すればよいですか?
A. 最低金額だけを示すのではなく、最低から最高までの幅を示し、麻酔代など別途かかる費用があれば内訳とあわせて記載します。部位や本数で金額が変わる施術は、標準的なケースの総額を添えると比較しやすくなります。
Q. ビフォーアフター写真は掲載できますか?
A. 掲載できます。ただし写真を加工せず、症例ごとに治療内容、期間・回数、費用、主なリスク・副作用を写真の近くに記載する必要があります。説明をリンク先やクリック後の表示に回す形は不十分とされています。
Q. 国内承認の薬剤を使っていれば、追加の記載は不要ですか?
A. 承認された範囲内で使う場合、未承認医薬品等についての追加の記載は不要です。ただし自由診療であれば、公的医療保険が適用されない旨と標準的な費用は記載します。承認と異なる部位や目的で使う場合は、未承認の場合と同様に追加の記載が求められます。
Q. キャンペーン価格やモニター価格は載せてもよいですか?
A. 問題になりやすいのは、割引を前面に押し出す表示です。事例解説書では、期間限定の割引やモニター価格を強調する表示が、品位を損ねる広告の例とされています。価格を載せる場合は強調せず、通常の料金表と同じ扱いで示すのが無難です。
Q. 脱毛のコース料金ページで、医療広告以外に気をつけることはありますか?
A. 提供期間が1か月を超え、金額が5万円を超える脱毛などの契約は、特定商取引法の特定継続的役務提供にあたり、クーリング・オフや中途解約の対象になります。契約書面とあわせて、解約の扱いをページでも説明しておくとトラブルの予防になります。
Q. リスティング広告から施術ページへ誘導するときの注意点は?
A. 広告文は限定解除の対象にならないため、広告可能事項の範囲で作ります。そのうえで、遷移先の施術ページで治療内容・費用・リスクを十分に示します。施術ごとに着地先を分けると、広告文とページの内容のずれも防ぎやすくなります。
Q. 既存サイトの施術ページを見直すなら、どこから始めればよいですか?
A. まず院内で扱う施術・薬剤・機器を一覧にし、承認の有無と承認範囲を確認します。次に、施術ページごとに費用の幅、期間・回数、リスク、症例写真の付記が足りているかを点検し、検索流入や予約の多い施術から順に直していくと効率的です。
まとめ
美容クリニックの施術ページは、同じ型で量産するのではなく、施術ごとの比較の軸と不安に合わせて作り分けることが集客の土台になります。脱毛は総額と回数、シミ・肝斑は種類の見極め、痩身は方法の違いと薬剤の承認範囲、注入は製剤ごとの承認状況、糸リフトは施術後の経過。それぞれ、ページで厚く書くべき情報が違います。
その情報の多くは限定解除の要件そのものです。費用の幅、期間・回数、リスク、未承認・適応外使用の情報を施術ごとに正確に書くことは、規制への対応であり、検討者の疑問に先回りして答えることでもあります。
当社は大阪・南船場を拠点に、医療機関のホームページ制作から、施術ページの棚卸しや限定解除の観点での見直し、AI検索対策、公開後の運用までをご支援しています。施術ページの作り分けやリニューアルをご検討の際は、お気軽にご相談ください。
▼当社へのお問合せはこちら▼
このブログを書いた人
WEB関連に携わって20年越え。ECサイトの運営からスタート。
ホームページ制作に携わって、15年以上になります。





